高性能化と省スペース化を実現
NSP-Pro PSA式窒素ガス発生装置
・省エネ性能に優れた窒素ガス発生装置
・独自の合成高分子材料ベルパールを原料とした高性能吸着材の活用
・現在の窒素ガスをより安価にコストダウンが可能
AWMX社 窒素発生装置の強み
独自の高性能CMS
自社開発のCMSを特徴としておりCMSの原材料となるフェノール樹脂は専用開発品を採用しております。このフェノール樹脂はCMSの性能を最大限に引き出すためより微細で均質な性状に調質され最高レベルの分離効率と生産性を生み出すコア技術となっております。当社のフェノール樹脂は一般的なCMSの原料となる天然素材に比べ微細化や均質性に優れており、汎用のフェノール樹脂の中にあってもより微細な球状フェーノール樹脂(ベルパール)としてCMS用に専用開発された特殊なフェノール樹脂を採用しております。
多様なプロセス技術
当社のPSA装置はCMSの特性を最大限に引き出すためプロセス技術から開発を行っており各種のプロセス技術を組合わせることで最大の効果を発揮できるよう設計されております。そのバリエーションは最終ユーザーのニーズに応じ最適化され屋外仕様、高圧仕様、低騒音化仕様、車載仕様など様々な用途において差別化を実現しております。セットメーカー様を対象とした専用開発品においてはセットメーカー様がその市場において最大限の競争力を発揮できるようCMSの選定や新規開発まで、また各種プロセス技術においてもその組合せから新規開発に至るまで最適な差別化商品を目指しております。
PSA式窒素発生装置の概要
窒素発生装置の種類を紹介
PSA式窒素発生装置
PSA式窒素ガス発生装置は酸素分子を選択的に吸着するCMSを採用することで清浄な圧縮空気から窒素ガスを連続的に取り出すことができます。まず原料となる圧縮空気をコンプレッサーから供給し、清浄な圧縮空気となるよう水分、油分、パーティクル等を除去します。次に浄化された圧縮空気はCMSが充填された吸着塔に導入され酸素分子が吸着除去された後残った窒素ガスが取り出されます。CMSは酸素分子を一定時間吸着することで飽和に達するためもう一方の吸着塔へ切替え連続的に窒素ガスの精製を行います。一方、飽和に達した吸着塔は大気圧に解放されることで酸素分子の脱着を図り元の状態へ再生させることができます。吸着塔から取り出された窒素ガスは製品槽に導入され圧力変動を緩和した後、減圧弁で調圧され製品窒素ガスとして供給されます。
膜分離式窒素発生装置
膜分離装置は一般的に中空糸が使用され、空気中の窒素より酸素を透過しやすい性質を利用したものです。中空糸には主に高分子膜が使用され空気中の各ガス成分の透過速度の差(選択透過性)を利用して、酸素、二酸化炭素、水分などの透過速度の速いガスと、窒素、アルゴンのような遅いガスとを分離し、空気中の成分より窒素ガスを取り出すシステムです。これは中空糸が空気中の窒素より酸素を透過しやすい性質を利用したもので、圧縮空気がN2セパレーターとして中空糸の内側を流れていく間に、酸素分子が選択的に膜を透過し、その結果中空糸内にとどまった窒素富化ガスが製品ガスとして取出される仕組みです。
深冷式窒素発生装置
深冷式(深冷空気分離とも言われます)は、空気中の成分を沸点の違いにより分離する方法です。物質には三態(固体・液体・気体)と言われる状態が存在し、固体が液体になる温度を融点(Melting Point)、液体が気体になる温度を沸点(Boiling point)と言います。空気中の主な各成分(酸素・窒素・アルゴン)の沸点(大気圧下)は次の通りです。
酸素(O2) | 窒素(N2) | アルゴン(Ar) |
-183.0℃ | -195.8℃ | -185.8℃ |
化学反応や燃焼等はなく、物理操作(ガスの圧縮・冷却)のみで製品ガスを製造でき、また、空気自体は毒性もなく、安全な製造方法です。深冷式による空気分離方法の簡易な流れは次の通りです。
①ろ過器(フィルター)により原料空気中の不純物(粉じん等)を除去
②原料空気を圧縮機により約0.5MPaまで圧縮
③圧縮した原料空気を常温付近まで冷却
④低温で固化する水分ならびに二酸化炭素を吸着除去
⑤分離機にて導入した原料空気を熱交換器で-170℃近くまで冷却
⑥精留塔にて導入した原料空気を各成分(酸素・窒素・アルゴン)の沸点差を利用して分離
⑦分離された製品ガスを熱交換器で常温付近まで加温
⑧必要に応じて、製品ガスを圧縮機で圧縮後、消費先へ供給
PSA式窒素発生装置の原理
PSA式窒素ガス発生装置はCMS(Carbon Molecular Sieving)を使用して窒素ガスを発生させる装置になります。CMSは酸素吸着量及び酸素と窒素の吸着速度差が大きく、加圧下において短時間のうちに酸素を優先的に吸着し、空気より窒素ガスを分離できます。また常圧に戻すことにより吸着した酸素は容易に脱着され、CMSは再生されます。CMSの吸着の原理には、窒素分子と酸素分子の0.02nmというわずかな大きさの違いを利用しています。CMSの、小さな分子を吸着しやすい特性を利用して、酸素を取り除き窒素を製品ガスとして回収します。当社では均一性に優れた自社開発の球状フェノール樹脂であるベルパールを主原料にしたCMSを主として、機種ごとに最適なCMSを選定しています。
PSA式窒素発生装置の仕組み
PSA式窒素ガス発生装置は、圧縮機からの原料空気を、2基のCMSが充填された吸着塔に送り、CMS特性にマッチしたサイクルで、吸着・脱着を交互に繰り返すことにより95~99.999%の窒素ガスを発生させます。
PSA式窒素発生装置のフロー図
PSAの原理をフローシートでご説明いたします。まず、コンプレッサーにて、圧縮空気をPSAに送り出します。次に、フィルターで、圧縮空気の油分を除去し、活性炭槽で、その他の不純物の除去まで行います。その後、一方の吸着塔へ圧縮空気が送られ、加圧され、吸着材であるCMSに酸素が吸着されます。吸着により飽和状態になった吸着塔を、もう一方の吸着塔と数秒間均圧をおこなったのち、吸着した酸素を脱着・排気し、これを交互に繰り返します。このようにして酸素を分離した窒素を製品槽に送ります。その後、使用する圧力に減圧、酸素濃度と流量を測定し窒素の供給を行います。
PSA式窒素発生装置のコストダウンイメージ
窒素ガスの価格は使用量、使用する場所、供給方法により大きく変動致します。様々なホームページを見ると「大幅なコストダウンを実現」のようなキャッチフレーズを見かけますが、実際にコストダウンには適切な純度や圧力の選定が必要となります。当社に現在の使用条件を詳細に伝えて頂けますと、最も適した供給方法をご案内致します。以下のグラフはPSA式窒素発生装置の純度別、年間稼働率別のコストイメージです。発生装置を稼働させることで一定の電力を消費しますので、高純度・低稼働率な場合は高コストとなります。(黄色:ランニングコスト(電気代)青色:イニシャルコスト(装置代))
また、シリンダー・LGC・ローリーと比較した場合のコストイメージを紹介致します。一般的に低純度の場合はPSA、高純度の場合はローリーがコストメリットを出せると言われておりますので、純度99.99%の場合のイメージ図を紹介致します。PSA式窒素発生装置を活用した場合、年間の運転時間が多い場合や一定の流量でご使用になられるケースでコストメリットが出やすい傾向があります。
AWMX社の窒素発生装置の製品特徴
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コンパクト設計
最新の高性能CMSを採用することで最小クラスの設置面積を実現。BPN3-100Lの例では約40%(当社比)の設置面積削減を達成した。
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省エネ対応
各種の省エネシステムを採用することで部分負荷領域での省エネを実現。切替サイクルの時間延長を中心としたエコサイクルや貯留タンクの圧力監視を中心としたエコプレッシャーを採用。
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高性能設計
分離効率を極限まで追求した最新のNSP-Proでは従来機種に比べ最大27%の電力削減を実現。SDG’sに対する当社の回答として今後のPSA分野を牽引する位置づけとなる。
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優れた操作性
PSAシステムはPSA本体と別にコンプレッサーやドライヤー、昇圧機や精製装置などを組合すケースもある。この場合これら機器をPSAから集中制御することでPSAの起動・停止操作のみで運転操作を行える。
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高い安全性
PSA式の窒素ガス発生装置は空気中の酸素分子を吸着除去し残った窒素分子他を取り出す仕組みです。そのため分離後の窒素ガスを元の空間に戻す(PSAの排気ガスと混ざる)場合は精製前の空気に戻すことができます。燃焼や化学反応を伴わないためより安全な分離方式と考えられています。
AWMX社の窒素発生装置CMSの特徴
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球状フェノール樹脂(ベルパール)他を原料としており、均質性に優れている。
一般的なCMSは天然物を原料とするため、採取地や天候により不均一な組成や構造です。一方で、ベルパールは均一組成の不純物の少ない樹脂であり、それを原料とすることで均一な構造のCMSが得られます。
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酸素吸着容量が大きく、かつ酸素/窒素分離機能に優れている。
ベルパールを原料に開発したCMSは球状炭素粒子の集合体で構成された表面構造を有しています。吸着速度が速く且つ、分離能に優れるため、短時間で空気を分離できます。これらの特徴で小型高収率PSA設計が可能です。
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強度・耐摩耗性が大きく、耐久性に優れている。
ベルパールを原料にすることで高強度の炭素が得られます。最新CMSはより高強度に適した品番を開発して採用しており、旧型と比較してより高い摩耗強度、耐荷重強度を有してます。これらの特徴で耐久性に優れた窒素PSAを実現しています。
CMSとは?(分子篩炭素)
分子を僅かな大きさの違いにより分離させる。(0.02nmの大きさの違いで分離)一次粒子径を微細化することで表面積を拡張しペレット当たりの吸着量を増大させた。
窒素発生装置の主な用途
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エレクトロニクス分野
無酸素雰囲気半田付(N2フロー、リフロー)、半導体・電子部品等の接合、乾燥とシール、その他酸化防止。
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金属分野
レーザー加工機によるステンレス切断、電線伸銅用。
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食品分野
ナッツ、お茶、コーヒー等のガス充填包装、乾燥物の保存、油脂の酸化防止、ワイン・ビールの貯蔵、青果物のCA貯蔵等。
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化学工業分野
金属、セラミック等の熱処理、焼成、化学工業全般におけるタンク・反応槽・防爆シール、樹脂成形・乾燥、パージ用。
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研究開発分野
分析・実験用(シール、キャリヤーガス)、パイロットプラント用
窒素発生装置の製品ラインナップ
機種別対応範囲(窒素ガス発生量) – 窒素純度99.99%
※(コンプレッサー内蔵)の記載なき機種は別途コンプレッサーが必要です。
L/min (上段:50Hz、下段:60Hz) |
㎥/h (上段:50Hz、下段:60Hz) |
||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | 20 | 30 | 1 | 5 | 10 | 50 | 100 | 500 | 1000 | |
KCN-mini (コンプレッサー内蔵) |
1.3 | ||||||||||
KCN (コンプレッサー内蔵) |
11 12 |
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BPNC-05J (コンプレッサー内蔵) |
15 17 |
||||||||||
BPNC-11C (コンプレッサー内蔵) |
32 36 |
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BPN3-04S | 13 | ||||||||||
BPN2 | ○ | 10.3 | |||||||||
BPN3 | ○ | 18.1 | |||||||||
NSP-Pro | 60 | ||||||||||
NSP | ○ | ○ | 140 | ||||||||
大型 | ○ |
機種別対応範囲(窒素ガス発生量) – 窒素純度99.9%
※(コンプレッサー内蔵)の記載なき機種は別途コンプレッサーが必要です。
L/min (上段:50Hz、下段:60Hz) |
㎥/h (上段:50Hz、下段:60Hz) |
||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | 20 | 30 | 1 | 5 | 10 | 50 | 100 | 500 | 1000 | |
KCN-mini (コンプレッサー内蔵) |
2.6 | ||||||||||
KCN (コンプレッサー内蔵) |
15 17 |
||||||||||
BPNC-05J (コンプレッサー内蔵) |
21 24 |
||||||||||
BPNC-11C (コンプレッサー内蔵) |
2.6 2.9 |
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BPN3-04S | 20 | ||||||||||
BPN2 | ○ | 17.9 | |||||||||
BPN3 | ○ | 25 | |||||||||
NSP | ○ | 180 | |||||||||
大型 | ○ | ○ |
機種別対応範囲(窒素ガス発生量) – 窒素純度99%
※(コンプレッサー内蔵)の記載なき機種は別途コンプレッサーが必要です。
L/min (上段:50Hz、下段:60Hz) |
㎥/h (上段:50Hz、下段:60Hz) |
||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | 20 | 30 | 1 | 5 | 10 | 50 | 100 | 500 | 1000 | |
KCN-mini (コンプレッサー内蔵) |
4.4 | ||||||||||
KCN (コンプレッサー内蔵) |
23 26 |
||||||||||
BPNC-05J (コンプレッサー内蔵) |
28 32 |
||||||||||
BPNC-11C (コンプレッサー内蔵) |
3.6 4 |
||||||||||
BPN2 | ○ | 28.1 | |||||||||
BPN3 | ○ | 36.6 | |||||||||
NSP | ○ | 240 | |||||||||
大型 | ○ | ○ |
窒素発生装置の導入実績・導入事例
PSA式窒素発生装置 導入実績(~2020年度) | ||
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小型機(~20m3/Hr) | 中型機(20~100m3/Hr) | 大型機(100m3/Hr~) |
1,100台 | 1,700台 | 300台 |