介護業界の人材不足に関して、現状や原因、対策を解説
記事公開日:2020年11月30日
介護業界では今、慢性的な人材不足に陥っています。今後少子高齢化が進んでいく中で介護事業の重要性・需要は高まる一方であり、介護事業者は人材不足を解消し、より多くの期待に応える方法を模索していく必要があります。そのためここでは、介護業界の人材不足に関する現状や対策について解説します。また、介助者・入浴者双方の安全性・快適性等を大きく向上させて人材不足の解消が期待できる特殊浴槽「美浴」も紹介していますので、ぜひともご覧ください。
1. 介護業界の現状と未来
ここでは、2020年現在の介護業界の現状と今後について解説します。
1-1. 2020年介護業界の現状
2020年の介護業界の現状は、以下の通りです。
<介護労働者の平均年齢と男女比>
平均年齢 | 48.8歳 | |
性別 | 男性 | 19.1% |
女性 | 78.1% | |
無回答 | 2.7% |
<雇用形態※無回答除く>
男性職員 | 正規職員 | 81.3% |
非正規職員 | 16.9% | |
女性職員 | 正規職員 | 52.6% |
非正規職員 | 45.2% |
1-2. 介護業界は人手不足が課題
厚生労働省が発行した『平成30年5月21日厚労省報道発表資料』によると、今後の介護サービス見込み量から、2025年度には約245万人の介護人材が必要です。しかし2016年度の介護人材は約190万人であり、この差約55万人をどう埋めていくかが今後の課題になっています。
2. 介護業界が人材不足になっている背景
ここでは、介護業界が人材不足に陥っている背景を解説します。
3. 介護業界が人材不足になっている原因
ここでは、介護業界が人材不足になっている原因を解説します。
3-1. 採用難
人材不足の原因としてまず挙げられるのが、介護業界の採用難です。令和元年度介護労働実態調査(出典:(公財)介護労働安定センター)によると、90.0%の事業所が、人材が不足している理由として「採用が困難であること」を挙げています。更に同調査では、採用難の主な理由として以下を挙げていることが分かっています。
- ・同業他社との人材獲得競争が激しい…57.9%
- ・他産業に比べて労働条件等が良くない…52.0%
- ・景気が良いため、介護業界へ人材が集まらない…40.9%
3-2. 離職率
介護業界の人材不足には、離職率の高さも影響しています。令和元年度介護労働実態調査事業所における介護労働実態調査結果報告書(出典:(公財)介護労働安定センター)によると、1年間の離職率は全体で15.3%です。介護労働者の就業実態と就業意識調査によると、退職した理由として、職場の人間関係や結婚・出産育児、事業所や施設の運営方針への不満などが多くなっています。
3-3. 人間関係
介護業界では人間関係に問題を感じる人が多くいます。接することが多い施設利用者や同じ職場の同僚などとの人間関係に悩む方が多く、職場同僚に対しては仕事に関する考え方の違いやパワハラに悩む方が多くいるようです。また、施設利用者からは暴言を吐かれたり、ワガママを言われたりすることでストレスを感じており、暴力を振るわれた経験がある人もいます。
3-4. ネガティブなイメージ
介護業界にはネガティブなイメージが強く、以前から3Kと言われることも多いのが実情です。
<3Kとは>
- ・きたない
- ・きつい
- ・危険
4. 介護業界における人材不足の対策
ここでは、介護業界における人材不足への対策として考えられるものを8つ紹介します。
4-1. 「ユニットケア」システム導入
介護業界の人材不足解消には、ユニットケアシステムの導入により、働きやすい労働環境を整えることが効果的だと考えられます。ユニットケアとは入居者10名程度を1つのユニットとして一緒に生活してもらい、決まった職員が担当する形の介護システムです。従来のケアに比べユニット毎に適切なスタッフを配置することで、人材不足解消が期待できます。
4-2. IT化
介護業務は、ITの導入を進めることで効率化できると考えられます。勤怠管理システムやデータ共有システム、給与計算業務等をIT化することで、業務効率化やペーパレス化、コスト削減等が期待できます。
4-3. 処遇改善
人材不足には職員の処遇改善も効果的だと考えられます。介護職員の賃金向上を目指し、2012年からは介護職員処遇改善加算の制度運用が開始されています。この制度によりキャリアパス整備や職場改善に取り組んでいる事業所へより多くの介護報酬が支給されるようになりました。
4-4. 助成金
現在では、介護関係の助成金制度も設けられています。例えば、中小企業労働環境向上助成金は、雇用管理制度の導入等を行う中小企業事業者に対して、一定の助成金を支給する制度です。雇用管理改善を推進し、人材の定着や確保を図ることを目的としています。¥この制度は介護福祉機器の導入も助成対象となるため、介護業界における活用にも期待できます。
4-5. 外国人の受け入れ
日・インドネシア経済連携協定(平成20年7月1日発効)に基づき平成20年度から、日・フィリピン経済連携協定(平成20年12月11日発効)に基づき平成21年度から、日・ベトナム経済連携協定に基づく交換公文(平成24年6月17日発効)に基づき平成26年度から、年度ごとに、外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れを実施してきており、累計受入れ人数は3国併せて6,400人を超えました(令和元年8月末時点)。今後はインドネシア、フィリピン、ベトナムからの外国人採用を継続していく方針です。 外国人技能実習制度やEPA(経済連携協定)を活用して外国人介護士を受け入れることで、職員を数年に渡って安定的に確保することもできます。また、外国人留学生への修学資金貸付等も利用することで、外国人の受け入れを進めることが期待できます。
4-6. 中高年齢者の介護業界参入促進
中高年齢者の介護業界参入促進も、人材不足解消方法の1つです。シルバー人材センターやボランティアセンターなどとの連携を強化し、介護分野での就業意欲がある中高年齢者の掘り起こしを行ないます。介護未経験者の中高年者の参入を促すため、研修受講費等の助成や研修後の就業マッチングを行い、介護分野での雇用につなげています。
4-7. 潜在介護士の呼び戻し
潜在介護人材の呼び戻しも、人材不足解消の一手として考えられます。潜在介護人材とは、介護職を離職した経験者のことです。潜在介護士の多くは現在仕事に就いていないと言われており、介護業界への復帰や転職を望む方も多いことから、その活用が期待されています。(出典:介護人材の働き方の実態及び働き方の意向等に関する調査研究事業2018年04月10日株式会社日本総合研究所)。
4-8. 介護人材の積極的育成・資格取得支援
人材不足解消策として、介護人材の積極的育成や資格取得支援も挙げられます。介護福祉士などの資格を所有することで仕事の幅の変化、待遇改善が期待できるため、積極的な取得を推進していくことで、離職率の低下が期待できるでしょう。支援策として、例えば「介護福祉士修学資金等貸付制度」が挙げられます(出典:厚生労働省発社援0201第2号平成30年2月1日介護福祉士修学資金等の貸付けについて)。
- この制度では以下の費用を貸与する制度です。
- ① 介護福祉士修学資金
- ② 介護福祉士実務者研修受講資金
- ③ 離職した介護人材の再就職準備金
- ④ 社会福祉士修学資金
潜在介護人材の約40%がすぐにあるいはいずれは介護業界で働きたいという意向を持っており(出典:介護人材の働き方の実態及び働き方の意向等に関する調査研究事業2018年04月10日株式会社日本総合研究所)、同制度の活用が望まれます。
5. 「美浴」は心地よい入浴だけではなく、
人材不足も解決する
ここでは、人材不足解消の手段として「美浴」を紹介します。「美浴」は、入浴者や介護者、入浴介助者はもちろん、経営者にとってもメリットがある製品です。下記では、「美浴」の説明に加えて、入浴者と入浴介助者、経営者のメリットも紹介します。
5-1. 「美浴」とは?
「美浴」は介護用のシャワー入浴装置で、入浴者は快適安全に身体的負担も少なく、気持ちよく入浴できます。「美浴」に入れば、入浴者は柔和で温かい上質なミストシャワーを浴びて身体は清潔に、心はリフレッシュできます。
また「美浴」のメリットはそれだけでなく、通常の浴槽とは違って入浴者が溺れたり、誤飲したりするといった心配もありません。
さらにメリットは入浴者だけでなく、介助者にもあります。
「美浴」は、ボタン一つで入浴者を簡単に洗身できる他、入浴時間と介助人数の削減により密集を防ぎ、ボディシャンプー機能による洗身で近距離接触を軽減します。
加えて、経営者にとっても「美浴」は大きなメリットがあります。
入浴対応にかかる時間が短縮できるので、人件費を削減することが可能です。
また、貯湯式に対して1/3程度の湯量で済むため、上下水道料金や光熱費を大幅削減できます。
5-2. 「美浴」の特徴
前述したメリット以外にも「美浴」には多くの利用者にとって魅力的な特徴があります。その「美浴」の特徴について、入浴者・介護者・経営面から見たそれぞれのメリットを下記にまとめて解説します。
入浴者
静水圧のかからない上質なミストシャワーを浴びることで心身ともにリラックスでき、通常の入浴よりも体に優しいです。また、美浴では常に新しいお湯を利用するので、利用者どうしの交差感染も防止でき、失禁等の清掃対応も容易で、清潔な入浴ができます。さらに、通常の入浴と比較して身体の露出が少ないためプライバシーを保ちやすいという点も入浴者にとって大きなメリットとなります。
介助者
入浴対応にかかる時間を大幅に短縮できるので、入浴介助作業効率が向上します。また、通常の入浴とは違い、入浴者が溺れたり誤飲したりする事故リスクが少ないため、介助作業にともなう心理的負担も軽減できます。心理的負担を軽減できる結果として、介助者に入浴者とのコミュニケーションを図る余裕も生まれます。
経営面のコスト削減
入浴対応にかかる時間が短縮できるので、入浴介助に従事する人数や時間を削減できます。また、電気やガス、水道代などの諸経費も同時に削減できるため、コストメリットも大きいです。据え置き式で付帯工事も少なく、設置導入が容易です。
5-3. 「美浴」のラインナップ
経営者や入浴介助者、入浴者にとって多くのメリットがある「美浴」ですが、その「美浴」には複数のモデルがあります。ここではその各種「美浴」の概要や特徴、どのような方に向いているか解説します。
NS5000
NS5000シリーズは入浴者が寝た体勢で入浴できるストレッチャー式の入浴装置です。寝た体勢で入浴できるので、自力での立ち座りをすることが困難な方も利用できるというメリットがあります。また、上下のラインに16基のノズルを配置しているので、背部もしっかり洗うことができ、包み込むような入浴感があります。
NB2500
NB2500はリクライニングチェアを利用して入浴するタイプの特殊浴槽です。無段階でリクライニングの確度を調整できるため、入浴者の身体の状態に合わせた姿勢で入浴ができます。このNB2500は、座位姿勢はできるが、立位は難しい方向けの入浴機器となります。
RS-05N
RS-05Nは車イス式のシャワー入浴装置です。この入浴装置も入浴者が椅子に座って入浴するという点はNB2500と同様ですが、こちらは装置サイズがNB2500と比べてコンパクトで、設置スペースを取らないといったメリットがあります。また、昇順ペダルやスイング式の肘掛などの機能もあり、操作もシンプルであるため、利便性も高いです。
シャワーオール
シャワーオールは自立サポート型の座って利用するタイプの入浴装置で、バスタブをまたげない人でも使いやすいよう、15cmのまたぎで済み転倒リスクを低減した設計となっています。また、装置サイズは非常にコンパクトで浴室だけでなく、居室設置も可能です。浴槽内で洗身が完結するため、浴室の行き来を最小限にできることも大きなメリットです。
以下にここまで紹介してきた「美浴」の各モデル特徴と製品詳細のリンクを記載しますので、より詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてください。品番 | 入浴時の姿勢 | 特徴 |
---|---|---|
NS5000 | 寝位 |
|
NB2500 | 座位 |
|
RS-05N | 座位 |
|
シャワーオール | 座位 |
|
各製品の詳細:美浴TOPページ
5-4. 「美浴」をショールームで体験されませんか?
ここまで紹介してきた特殊浴槽「美浴」ですが、その各モデルをショールームで体験利用可能です。体験ショールームは下記の8箇所がありますので、ぜひ最寄りのショールームをご利用ください。
- ・釧路ショールーム
- ・旭川ショールーム
- ・札幌ショールーム
- ・福島ショールーム
- ・東京ショールーム
- ・千葉ショールーム
- ・京都ショールーム
- ・神戸体感ルーム
なお、各ショールームにより展示している機器が異なります。詳しくは各ショールームへお問い合わせ下さい。