介護職の離職対策をご紹介

介護職の離職対策をご紹介
目次

介護職業界の長年の悩みとして、離職率の高さと、影響として出てしまう慢性的な人手不足が挙げられますが、対策する方法はまだあります。そこで本記事では、介護職の離職を止めるために有効な対策や、労働量を軽減させるための方法を紹介します。

1. 介護職の離職率は15.3%

介護職の離職率は15.3%と、一見高い数値となっています。

(出典:令和元年度介護労働実態調査事業所における介護労働実態調査結果報告書p.34(公財)介護労働安定センター

厚生労働省発表の雇用動向調査結果では、令和元年の平均離職率は15.6%となっており、介護職の離職率は平均程度と言えます。また、「宿泊業,飲食サービス業」は高い離職率となっており、33.6%となっています。

(出典:2019年(令和元年)雇用動向調査結果の概要産業別の入職と離職

2. 介護職を離職する原因

介護職を離職してしまう大きな原因としては「職場の人間関係に問題があった」、「結婚・妊娠・出産・育児のため」、「法人や施設・事務所の理念や運営のあり方に不満があったため」などがあります。また、その他にも、「自分の将来の見込みが立たなかったため」、「他に良い仕事・職場があったため」、「収入が少なかったため」が原因として挙げられます。

前職(介護関係の仕事)をやめた理由(複数回答)

回答労働者数5,579人

人員整理・勧奨退職・法人解散・事業不振等 7.6%
他に良い仕事・職場があった 16.0%
新しい資格を取った 10.6%
収入が少なかった 15.5%
自分の将来の見込みが立たなかった 16.4%
自分に向かない仕事だった 6.7%
職場の人間関係に問題があった 23.2%
法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があった 17.4%
家族の転職・転勤、又は事業所の移転 4.0%
定年・雇用契約の満了 3.7%
病気・高齢 3.8%
結婚・妊娠・出産・育児 20.4%
家族の介護・看護 5.2%
その他 11.7%
無回答 1.2%

(出典:令和元年度介護労働実態調査介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書(公財)介護労働安定センター資料編p.124)

労働条件・仕事の負担についての悩み、不安、不満等をたずねたところ、「人手が足りない」が55.7%と最も高く、次いで「仕事内容のわりに賃金が低い」が39.8%となっています。

(出典:令和元年度介護労働実態調査介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書(公財)介護労働安定センターp.64)

3. 介護職の離職を対策する方法は環境づくりが大切

介護職の離職を対策する方法は環境づくりが大切

介護職の離職対策において重要なことは、制度を整備して職員が働きやすい環境を作っていくことです。ここでは、働きやすい環境を作るための制度を紹介します。

3-1. 産休制度

産休制度を整備することにより、妊娠が理由となる離職の低減を狙えます。

産休制度を整備するには、労働基準法、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法で定められた制度を整備し、職員が相談できる窓口を設置して、制度を運用する体制を整える必要があります。

また、実際に産休取得者が出た場合を想定し、仕事の割り振り方や、代わりの人員が必要になるか、などのシミュレーションをしておくことで、よりスムーズに運用できます。

3-2. キャリアサポートができる環境を整える

離職原因にも「自分の将来の見込みが立たなかったため」という理由があるように、モチベーションコントロールにおいて、キャリアサポートができる環境を整えることは非常に大切です。例えば、ケアマネージャーの資格取得ができる体制を作り、介護支援専門員実務研修受講試験の支援を行うのが効果的です。職員のニーズとして、今後取得したい資格には、ケアマネージャーを希望している割合が最も高くなっています。

介護労働者に今後取りたい資格をたずねたところ、「介護支援専門員(ケアマネジャ-)」が36.4%と最も高く、次いで「介護福祉士」が25.8%、「社会福祉士」が16.4%、「主任介護支援専門員(主任ケアマネジャ-)」が14.5%となっています。就業形態別でみると、今後取りたい資格について「ある」は正規職員が46.3%に対し、非正規職員は31.4%となっています。今後取りたい資格については、正規職員は「介護支援専門員(ケアマネジャー)」が39.3%、非正規職員は「介護福祉士」が42.2%と最も高くなっています。

(出典:令和元年度介護労働実態調査介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書(公財)介護労働安定センターp.23)

3-3. 介護休業の活用

介護休業とは、負傷や疾病であったり、身体上や精神上の障害などが理由で、2週間以上の常時介護が必要な家族を介護する際に取得できる休暇制度です。

取得できる期間

介護が必要な家族一人につき3回まで、合計93日分まで取得できます。

休業期間の給料・手当

介護休業期間の給料については事業主側に支払い義務はなく、申請者は所定の手続きを行うことで、介護休業給付金を受け取れます。

申請方法

介護休業期間の給料については事業主側に支払い義務はなく、申請者は所定の手続きを行うことで、介護休業給付金を受け取れます。

  • 1.申出の年月日
  • 2.労働者の氏名
  • 3.対象の家族の氏名と、労働者との続柄
  • 4.対象の家族が要介護状態にある事実
  • 5.介護休業開始予定日と介護休業終了予定日
  • 6.対象の家族についての介護休業日数

注意点

主な注意点としては、以下の4点が挙げられます。

  • 1.介護休業とは別に、申請者に対し勤務時間の短縮や介護サービス費用の助成など、配慮した措置を行う必要があります。
  • 2.介護休業の期間中は、社会保険料が免除されません。事業主は、期間中の保険料の支払い方法について、申請者に書面で知らせる必要があります。
  • 3.育児・介護休業法
  • 4.介護休業を申請する際は、介護休業開始日の2週間前までに申請が必要となっています。2週間前までに申請しなければ、希望通りの介護休業ができない可能性があります。

3-4. 介護休暇の活用

介護休暇は、病気や怪我、身体上または精神上の障害など、要介護状態の家族を介護する際に取得できる休暇制度です。介護休業が長期的な介護に対して使用されるのに対し、介護休暇は短期的な場合や、突発的な介護が必要な際に使用されます。

取得できる期間

介護が必要な家族一人につき5日まで取得できます。また、もし介護が必要な家族が三人以上いた場合でも、取得日数の上限は10日となっています。

休業期間の給料・手当

介護休暇時の給料についても、事業主側に支払い義務はありません。また、介護休業給付金も受け取ることはできません。

注意点

主な注意点としては、以下の2点が挙げられます。

  • 1.介護休業と同様に、勤務時間などに配慮した措置を行う必要があります。
  • 2.こちらも介護休業と同様に、事業主は申請を拒否できません。また介護休暇取得を理由に解雇することもできません。

3-5. 勤務時間の短縮

勤務時間の短縮制度とは、介護をするために、勤務時間を短くして働くことを認める制度です。介護休業とは別に利用できる制度となっています。

勤務時間の短縮制度を活用することで、職員が仕事と介護を両立できるというメリットが生まれます。

申請方法については特に決まりはなく、事業主に任されています。勤務時間の短縮を実現するためには、以下の制度を活用します。

短時間勤務制度

1日の所定労働時間を原則として6時間(5時間45分~6時間)とする制度です。

フレックスタイム制

職員が仕業時間や終業時間、労働時間を自分で決め、仕事と介護を両立させる制度です。

始業・終業時刻の繰上げ、繰下げ

一律の始業・終業時刻に合わせるのではなく、介護の都合に合わせて始業時刻や終業時刻をコントロールできるようにする制度です。

労働者が利用する介護サービスの費用の助成その他これに準ずる制度

介護に必要な費用を助成することで、職員の介護負担を減らす制度です。

3-6. 所定外労働や時間外労働、深夜労働の制限

「所定外労働や時間外労働、深夜労働の制限」とは、申請することで残業の免除が受けられたり、深夜労働の免除を受けられたりする制度となっています。活用することで、職員の肉体的負担や疲労の軽減につながります。

労働者は、開始日の1か月前までに、書面のほか、事業主が適当と認める場合には、ファックス又は電子メール等により、事業主に請求が必要です。

具体的には、以下のような制度になっています。

所定外労働時間を制限する制度

決められた所定労働時間を超える労働をさせてはいけないという制度です。所定労働時間を短縮する制度に関することであり、所定外労働や時間外労働、深夜労働の制限とは関係ありません。

深夜業務に関する制度

午後10時から午前5時までの時間は、労働させてはいけないという制度です。

3-7. 介護休業給付の活用

「介護休業給付とは、介護休業を取得して、収入が減ってしまう負担を軽減する給付金制度です。申請するためには、勤務先を通してハローワークに申請を行います。給付金額は、以下のようになっています。

給付額=日給✖️休業した日数(最大93日)✖️67%

注意すべき点として、給付金は休業期間中に支給されない点です。申請するタイミングが、介護休業終了日の翌日から2カ月後の月の末日となっており、休業期間終了後に支給されるシステムとなっています。

3-8. 両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)の活用

両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)とは、企業が介護離職防止に向けて取り組み、制度を作る事に対し、厚生労働省が助成金を支給しています。介護離職防止支援コース(介護休業)支給申請書や、介護離職防止支援コース(介護制度)支給申請書などを、管轄の都道府県労働局雇用環境・均等部へ提出することで申請できます。

支給対象は中小企業のみとなっており、「休業取得時」、「職場復帰時」、「介護両立支援制度利用時」に、28.5万円〜36万円(/1人)が1年度に5人分まで支給(2020年までの時限措置の予定)されます。

支給にあたり、介護休業や介護制度利用者と1回以上面談を実施している必要があり、また、面談実施記録も残しておく必要があるので注意しましょう。

3-9. リモートワークの活用

リモートワークとは、職員が勤務地へ出勤することなく、遠隔で仕事を行うことです。

リモートワークには、正社員などがリモートワークを行う「雇用型」のリモートワークと、業務委託などでリモートワークを行う「自営型」のリモートワークがあります。

4. 介護の入浴介助の負担を減らすなら
「美浴」がオススメ!

ここからは、介護者の入浴負担の手段として「美浴」を紹介します。「美浴」は、入浴者が心地よく入浴できる特殊浴槽の1つです。 「美浴」は、ボタン一つで介護入浴ができるため、介護者の介護負担も減らせる商品です。以下では、「美浴」について詳しく解説します。

4-1. 「美浴」とは?

「美浴」は介護用のシャワー入浴装置で、入浴者は快適安全に身体的負担も少なく、気持ちよく入浴できます。「美浴」に入れば、入浴者は柔和で温かい上質なミストシャワーを浴びて身体は清潔に、心はリフレッシュできます。
また「美浴」のメリットはそれだけでなく、通常の浴槽とは違って入浴者が溺れたり、誤飲したりするといった心配もありません。
さらにメリットは入浴者だけでなく、介助者にもあります。
「美浴」は、ボタン一つで入浴者を簡単に洗身できる他、入浴時間と介助人数の削減により密集を防ぎ、ボディシャンプー機能による洗身で近距離接触を軽減します。
加えて、経営者にとっても「美浴」は大きなメリットがあります。
入浴対応にかかる時間が短縮できるので、人件費を削減することが可能です。
また、貯湯式に対して1/3程度の湯量で済むため、上下水道料金や光熱費を大幅削減できます。

美浴NS5000

4-2. 「美浴」の特徴

前述したメリット以外にも「美浴」には多くの利用者にとって魅力的な特徴があります。その「美浴」の特徴について、入浴者・介護者・経営面から見たそれぞれのメリットを下記にまとめて解説します。

入浴者

静水圧のかからない上質なミストシャワーを浴びることで心身ともにリラックスでき、通常の入浴よりも体に優しいです。また、美浴では常に新しいお湯を利用するので、利用者どうしの交差感染も防止でき、失禁等の清掃対応も容易で、清潔な入浴ができます。さらに、通常の入浴と比較して身体の露出が少ないためプライバシーを保ちやすいという点も入浴者にとって大きなメリットとなります。

介助者

入浴対応にかかる時間を大幅に短縮できるので、入浴介助作業効率が向上します。また、通常の入浴とは違い、入浴者が溺れたり誤飲したりする事故リスクが少ないため、介助作業にともなう心理的負担も軽減できます。心理的負担を軽減できる結果として、介助者に入浴者とのコミュニケーションを図る余裕も生まれます。

経営面のコスト削減

入浴対応にかかる時間が短縮できるので、入浴介助に従事する人数や時間を削減できます。また、電気やガス、水道代などの諸経費も同時に削減できるため、コストメリットも大きいです。据え置き式で付帯工事も少なく、設置導入が容易です。

美浴NB2500

4-3. 「美浴」のラインナップ

経営者や入浴介助者、入浴者にとって多くのメリットがある「美浴」ですが、その「美浴」には複数のモデルがあります。ここではその各種「美浴」の概要や特徴、どのような方に向いているか解説します。

NS5000

NS5000シリーズは入浴者が寝た体勢で入浴できるストレッチャー式の入浴装置です。寝た体勢で入浴できるので、自力での立ち座りをすることが困難な方も利用できるというメリットがあります。また、上下のラインに16基のノズルを配置しているので、背部もしっかり洗うことができ、包み込むような入浴感があります。

NB2500

NB2500はリクライニングチェアを利用して入浴するタイプの特殊浴槽です。無段階でリクライニングの確度を調整できるため、入浴者の身体の状態に合わせた姿勢で入浴ができます。このNB2500は、座位姿勢はできるが、立位は難しい方向けの入浴機器となります。

RS-05N

RS-05Nは車イス式のシャワー入浴装置です。この入浴装置も入浴者が椅子に座って入浴するという点はNB2500と同様ですが、こちらは装置サイズがNB2500と比べてコンパクトで、設置スペースを取らないといったメリットがあります。また、昇順ペダルやスイング式の肘掛などの機能もあり、操作もシンプルであるため、利便性も高いです。

シャワーオール

シャワーオールは自立サポート型の座って利用するタイプの入浴装置で、バスタブをまたげない人でも使いやすいよう、15cmのまたぎで済み転倒リスクを低減した設計となっています。また、装置サイズは非常にコンパクトで浴室だけでなく、居室設置も可能です。浴槽内で洗身が完結するため、浴室の行き来を最小限にできることも大きなメリットです。

以下にここまで紹介してきた「美浴」の各モデル特徴と製品詳細のリンクを記載しますので、より詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてください。

品番 入浴時の姿勢 特徴
NS5000 寝位
  • ・ストレッチャー式
  • ・介助窓あり
  • ・背部もシャワーがしっかり当たる
NB2500 座位
  • ・リクライニング式
  • ・介助窓あり
  • ・開放感のある構造
RS-05N 座位
  • ・車椅子式
  • ・省スペース設計
  • ・車椅子からの視点を変えずに入浴可
シャワーオール 座位
  • ・自立入浴タイプ
  • ・省スペース設計
  • ・居室にも設置可能

各製品の詳細:美浴TOPページ

4-4. 「美浴」をショールームで体験されませんか?

ここまで紹介してきた特殊浴槽「美浴」ですが、その各モデルをショールームで体験利用可能です。体験ショールームは下記の8箇所がありますので、ぜひ最寄りのショールームをご利用ください。

  • ・釧路ショールーム
  • ・旭川ショールーム
  • ・札幌ショールーム
  • ・福島ショールーム
  • ・東京ショールーム
  • ・千葉ショールーム
  • ・京都ショールーム
  • ・神戸体感ルーム

なお、各ショールームにより展示している機器が異なります。詳しくは各ショールームへお問い合わせ下さい。