お役立ちコラム

フッ素の基礎知識とフッ素含有水の処理方法

目次

1.フッ素の排水処理における基本的な知識と必要性

2.フッ素の水処理基準

3.フッ素を含んだ排水処理の方法

3-1.凝集沈殿法(カルシウム)

3-2.水酸化物共沈法(アルミニウム)

3-3.吸着法(READ-Fシリーズ)

3-4.その他の処理方法

3-4-1.フッ素回収法

3-5.処理方法まとめ

4.フッ素排水を吸着処理するなら〈READ-F〉

5.フッ素排水を凝集沈殿処理するなら〈READ-CX〉

【水中の有害物質除去】吸着剤・凝集剤の資料を請求する

フッ素は過剰摂取すると中毒症状を引き起こすことが確認されている元素であるため、排水する際には定められた基準値まで含有量を減らす必要があります。そのために、排水にフッ素が含まれる発電所や工場といったところでは、様々な排水処理技術を駆使して基準値を満たす努力をしています。当記事では、フッ素の排水処理技術の種類および各種類ごとの長所と短所を解説します。

フッ素の排水処理における基本的な知識と必要性

フッ素は虫歯治療などに効果がある元素として知られていますが、過剰摂取をすると様々な中毒症状を引き起こす原因になります。

フッ素は、過剰に摂取すると歯の石灰化不全や骨硬化症などを引き起こし、致死性もあることが確認されている物質です。

フッ素の水処理基準

フッ素が含まれている排水の処理は、環境省が定めた排水基準値を満たす必要があります。

▼排水基準
・フッ素及びその化合物
海域以外の公共用水域に排出されるもの:8 mg F/L
海域に排出されるもの:15 mg F/L

(出典元:環境省 一律排水基準)

ただし、排水基準を順守することが難しいと認められた業種によっては、別途暫定基準が設けられている場合があるため、これに限ったものではございません。
※飲用水用の処理が必要な場合は、水道水基準も参照する必要があります。

(出典元:排水基準を定める省令の一部を改正する省令の一部を改正する省令の概要 令和元年6月 水・大気環境局水環境課)

フッ素を含んだ排水処理の方法

フッ素を含んだ排水の処理技術には、凝集沈殿法(カルシウム)、水酸化物共沈法(アルミニウム)、吸着法(READ-F)、およびこれらの組み合わせ方式があります。

その他、各処理法の特長については以下の比較表を参照してください。

凝集沈殿法
(カルシウム)

水酸化物共沈法
(アルミニウム)

吸着法
(READ-Fシリーズ)

技術の特長 消石灰、塩化カルシウムなどを添加、フッ化カルシウムとして析出させ、汚泥として沈降除去する PACや硫酸バンドなどを添加し、水酸化物として沈降する際に合わせてフッ素を処理する pHを弱酸域に調整した原水を吸着剤の充填された塔に通液することでフッ素の除去を行う
処理濃度 生成するフッ化カルシウムの溶解度の関係で、排水基準8mg/Lまで一度に処理することは難しい 排水基準8mg/L以下まで処理は可能だが、低濃度になるほど効率は悪くなる イオン化されたフッ素ならば、環境基準0.8mg/Lまでも処理は可能
汚泥について 薬注量に応じ大量に発生する 薬注量に応じ大量に発生する 汚泥は発生しないが高濃度のフッ素廃液として発生するため、別途処理が必要となる
運転管理
(装置管理除く)
薬注量確認と汚泥の処理が必要 薬注量確認と汚泥の処理が必要 吸着塔回りだけなら基本自動化が可能
酸アルカリの補充は必要
長所 ・高濃度域での処理効率は高く、一段目処理としてはこの手法を行うのが一般的である ・カルシウム凝沈法と同じく汚泥として処理する形であるため、同用の装置で処理が可能である ・低濃度域においては効率良く、且つ低濃度まで安定して処理が可能
・濃度変化に強く、多少変動しても処理は可能であり、また運転管理も比較的容易である
短所 ・排水基準までの処理には向かない
・配管等にカルシウム由来のスケールが発生し、設備に相応のメンテナンスが必要となる
・カルシウム法に比べコストが掛かる
・濃度変動がある場合、無駄に薬剤を使用することとなってしまう
・pHのずれにより不完全な処理となる恐れがある
・高濃度処理は再生周期が短くなる
・再生廃液の別途処理が必要
・初期設備投資がある程度必要

高濃度のフッ素含有水の排水処理では、一般的に凝集沈殿法が用いられています。対して、低濃度のフッ素含有水の排水処理では、吸着法が用いられることが一般的です。

その他の処理方法

フッ素含有水の処理方法において、現在の主流である凝集沈殿法や吸着法以外に、フッ素回収法という処理方法もあります。

フッ素回収法

ただ、この方法は、特殊なケースでしか利用できない方法であるため、あまり一般的な処理方法ではありません。

処理方法まとめ

フッ素を処理する技術は色々ありますが、一般的には凝集沈殿法と吸着法を利用しているところがほとんどです。凝集沈殿法は、高濃度域では最も処理効率が高い方法ですので、まずはこの処理方法から行うのが一般的です。
しかし、凝集沈殿法は低濃度域には弱いので、この処理だけで排水基準を満たすのはあまり効果的ではありません。吸着法は、低濃度域で効率よく処理することが可能であり、しかも低濃度まで安定して処理できます。
一般的に、凝集沈澱法と吸着法の併用はそれぞれの長所短所を補えるため、両方を活用して排水処理を行うことが多いです。

フッ素排水を高度吸着処理するなら「READ-F」

吸着法は吸着剤を充填した塔に原水を通液することで液中のフッ素を吸着除去する方法です。
吸着法を用いた水処理用吸着剤READ-Fは、希土類を用いた吸着剤の頭文字(Rare earth adsorbent)を取って名付けられた商品「READシリーズ」の中で、フッ素の排水処理に特化した吸着剤の名称です。
「READ-F」の特長は、フッ素に対して高い選択性を持っているため、夾雑物が多くてもフッ素の除去が可能です。
また「READ-F」は、酸・アルカリで洗浄することによって吸着したフッ素の脱離が可能であるため、繰り返し使用することができ運用コストの削減につながります。
「READ-F」の主な導入先は、石炭火力発電所や半導体工場、自動車製造工場、金属表面加工工場などです。

吸着剤READ-Fについて詳しくはこちら

フッ素排水を高度凝集沈殿処理するなら〈READ-CX〉

水処理用凝集剤「READ-CX」は他の凝集剤と異なり、低濃度域でもある程度の効果が期待できる薬剤です。
そのため吸着塔のような設備投資を行わなくとも既存の凝沈装置を活用し処理を行うことが可能です。
同様の処理を目的として使用されるアルミ系薬剤に比べて薬注量が少なく済み、それに伴い汚泥発生量も抑えることができます。
フッ素処理でよく用いられるアルミ系薬剤の硫酸バンドと、READ-CXと比較したデータは以下の通りです。
フッ素50mg/Lから8mg/Lまで処理する場合、従来法ですと0.75wt%程度の薬注が必要となり、またその際の汚泥発生量は15.9g/Lとなります。
これに対しREAD-CXは薬注量は0.23wt%程度で済み、汚泥の発生量も6.7g/L程度と、約1/3に減らすことができます。

READ-CXと硫酸バンド(従来法)との比較 凝集添加量
従来法との薬剤添加量比較
READ-CXと硫酸バンド(従来法)との比較 汚泥発生量
従来法との汚泥発生量比較

「READ-CX」の主な導入先は、石炭火力発電所や金属表面加工工場などです。
また上記に加えて、READ-CXは、フッ素以外にもホウ素、リン、ヒ素、セレン、六価クロム、鉛等の元素も処理することが可能です。

凝集剤READ-CXについて詳しくはこちら

よくある質問

よくある質問をまとめました

READ水処理技術についてカタログはありますか?

対象元素ごとのリーフレットや技術資料がございます。当社グループまでお問い合わせください。

吸着剤・凝集剤のサンプルはもらえますか?

ご利用目的および処理概要についてご相談いただいたお客様にはサンプルを提供しております。

事前に試験することは可能ですか?

サンプルの提供を行っておりますので必要でしたら当社グループまでお問い合わせください。また、当社グループで試験を承ることも可能ですのでお気軽にご相談ください。

工場見学はできますか?

ご希望の方は当社グループまでお問い合わせください。

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