半導体工場の排水中フッ素を凝集沈殿処理後に吸着剤で処理
目次
1.水処理用吸着剤〈READ-F(HG)〉でのフッ素処理 導入場所
3.半導体工場で水処理用吸着剤〈READ-F(HG)〉を使用したフッ素処理 事例
5.水処理用凝集剤〈READ-CX〉によるフッ素除去について
水処理用吸着剤〈READ-F(HG)〉でのフッ素処理 導入場所
半導体工場
フッ素の水処理について
フッ素は少量であれば虫歯治療などに効果があるといわれていますが、過剰に摂取すると歯の石灰化不全や骨硬化症などを引き起こし、致死性もあることが確認されている物質です。フッ素処理には一般的に凝集沈殿法が用いられていますが、低濃度まで処理を行う場合にはあまり効果的でないため、これとは別の高度化処理法が必要となります。フッ素を含んだ排水の処理技術には、凝集沈殿法(カルシウム凝沈法)、水酸化物共沈法、吸着法(READ-F(HG))、およびこれらの組み合わせ方式があります。
今回は半導体工場排水中のフッ素をカルシウムによる凝集沈殿処理後に、吸着剤による高度処理を実施した事例を紹介します。
半導体工場で水処理用吸着剤〈READ-F(HG)〉を使用したフッ素処理 事例
半導体工場でフッ酸由来のフッ素を排水処理する必要があり、カルシウムによる凝集沈殿処理後に、吸着剤による高度処理を実施しました。
常に排水が出続けるため複数塔での処理を実施したことで、再生中でも継続処理を実現。
また、安全装置としての活用も可能のため、再生周期延長による運用コスト低減も可能となりました。
吸着剤〈READ-F(HG)〉でのフッ素処理の結果
処理濃度:F=15→2mg/L、処理水量:25m3/hr
吸着剤〈READ-F(HG)〉によるフッ素処理フロー
上記は当社グループの吸着剤の使用を想定したフロー図です。
凝沈、吸着のそれぞれ得意とするところを組み合わせることで処理の安定化及びランニングコスト低減を図ります。
初期設備投資が必要となるため、その償却費用も含めて現場改善に繋がるようご提案いたします。
水処理用凝集剤〈READ-CX〉 によるフッ素除去について
READ-CXは凝集剤としてフッ素処理に高い性能を発揮します。
カルシウム法と異なり低濃度域への処理も可能です。
少ない添加量で高い効果が得られるため、汚泥の抑制にも繋がります。
READ-CXの場合、濃度の壁は存在せず薬注量に応じて低濃度処理が可能です。
下記グラフは排水基準値より低い5mg/Lの模擬液に対し、READ-CXを添加することで環境基準値0.8mg/Lまで処理が可能であることを示しております。
凝集剤〈READ-CX〉によるフッ素処理のランニングコスト
READ-CXはアルミ共沈に比べ薬剤添加量が少なく、コストは安くなる傾向にあります。
吸着法はランニングコストは大きく低減しますが、初期投資が必要となります。
フッ素排水を高度処理するなら吸着剤〈READ-F(HG)〉・凝集剤〈READ-CX〉
今回の半導体工場に導入された水処理用吸着剤READシリーズ「READ-F(HG)」は、吸着剤リードシリーズの中でフッ素を含んだ排水処理を行うための製品です。
「READ-F(HG)」の特長は、フッ素に対して高い選択性を持っているため、夾雑物が多くてもフッ素の除去が可能という点です。
また、酸、アルカリでの洗浄によって、吸着したフッ素を脱離することが可能であるため繰り返し使用することができ、ランニングコストの低減につながります。
また「READ-CX」は他の凝集剤と異なり、低濃度域でもある程度の効果が期待できる薬剤です。
そのため吸着塔のような設備投資を行わなくとも既存の凝沈装置を活用し処理を行うことが可能です。
同様の処理を目的として使用されるアルミ系薬剤に比べて薬注量が少なく済み、それに伴い汚泥発生量も抑えることができます。
主に使用されている導入先は、石炭火力発電所や半導体工場、自動車製造工場、金属表面加工工場などです。