トンネル湧水から検出されたヒ素を吸着剤で処理
目次
水処理用吸着剤〈READ-As〉でのヒ素処理 導入場所
某トンネル掘削現場
ヒ素の水処理について
ヒ素には発ガン性があり、大量に摂取すれば造血機能や免疫機能に影響するとともに、肝臓や腎臓に有毒作用する物質です。製造工程由来のヒ素が排水中に排出される例のほか、自然由来のヒ素が地下水・表流水中に含まれる例が、国内外(日本・中国・インド・バングラデシュなど)で見られます。ヒ素含有水の排水処理には、鉄共沈法、凝集沈殿法、生物接触ろ過法、吸着法およびこれら4つの方法を組み合わせた方式があります。
今回はトンネル掘削中に検出されたヒ素を当社吸着剤READシリーズで除去した事例を紹介します。
トンネル掘削現場で水処理用吸着剤〈READ-As〉を使用したヒ素処理 事例
某トンネル掘削中にヒ素汚染された湧水が発生したため、トンネル掘削工事終了後に環境基準以下への処理を行う必要がありました。
そこで当社の吸着剤READ-Asを使用したヒ素吸着設備をトンネル出口に設置。
吸着剤READ-Asは一定周期毎に当社工場にて再生処理を行い、再度吸着塔に充填、運用を行います。
上記対応の結果、流量変動にも対応することができ、自動運転にて安定して処理水ヒ素濃度を0.01mg/L未満に吸着処理することができました。
吸着剤〈READ-As〉でのヒ素処理の結果
続き2トンネルの各所にヒ素処理設備を設置した際のデータとなります。
(1)トンネルA
処理濃度:As=0.11→0.01mg/L未満
処理水量:1,512m3/d
吸着剤量:5,000L/塔×2塔
(2)トンネルB
処理濃度:As=0.10→0.01mg/L未満
処理水量: 360m3/d
吸着剤量:1,500L/塔×2塔
ヒ素の除去には、一般的には凝集沈殿法や生物接触ろ過法を基本とした処理を行いますが、定期的な薬液補充や汚泥の搬出・処分などが必要でランニングコストが大きくなります。しかし吸着剤を使用することで、汚泥処分の必要がなくなりランニングコストを抑えられることに加えて管理運用の負担を大幅に削減することができます。
READシリーズ ヒ素用吸着剤〈READ-As〉の運用
ヒ素を吸着剤で処理する場合、原水濃度のレベルが比較的低いため、再生頻度が少なく、国内においては当社工場にて引き取り・再生処理後、再生品を再納入しております。下記はヒ素吸着剤を使用した処理フローです。
ヒ素排水を処理するなら吸着剤〈READ-As〉
今回のトンネル掘削現場に導入された水処理用吸着剤READシリーズ「READ-As」は、吸着剤READシリーズの中でヒ素を含んだ排水処理を行うための製品です。 「READ-As」の特長はヒ素に対して高い吸着性能を持っており、再生周期が伸びることでランニングコストの低減が期待できるという点です。
水道資機材試験にも合格しているので、飲料用途の処理にも使用することが可能です。主に使用されている導入先は、排水では半導体工場や温泉施設・土木工事現場など、飲料では食品製造工場や飲料水製造工場、浄水場などがあります。