水処理用吸着剤 READシリーズ

ー 各元素に合わせた吸着剤を使用し、対象水中にある有害物質を選択的に吸着・除去。
高い吸着性能と簡便な再生処理でコストダウンを実現します。

水処理用吸着剤
READシリーズの特長

特長画像

特定元素に対して高い選択性がある

比較的処理の難しいフッ素、ヒ素、ホウ素に対し高い選択性を持っているので、海水のように夾雑物が多い液中でも対象元素の除去が可能です。

特長画像

再生・再利用が可能で経済性に優れている

酸・アルカリで洗浄することにより吸着した元素を脱離再生できるため、繰り返し使用が可能で経済性に優れています。

特長画像

多孔質形状により高い性能を有する

READシリーズでは、特殊な技術により内部に細孔が作られます。そのため表層だけではなく内部までも透水し、高い性能を持たせることができます。

READシリーズを利用した水処理の原理

吸着塔に樹脂を充填し、通液することで液体の対象元素を吸着・除去します。

処理の流れ
READシリーズ(吸着剤)を使用する場合の一般的な処理フロー

水処理用吸着剤〈READシリーズ〉種類一覧

ヒ素用吸着剤 READ-As

「READ-As」は吸着性が高く、3価、5価の形態いずれも前処理なしで処理ができます。ヒ素は毒性が高いため排水基準値が低く、低濃度での運用が多くなるため、再生までの周期は非常に長いケースが多いという特長があります。そのため、現地では再生を行わず、当社グループ工場の方で再生を行うケースが殆どです。

吸着・再生機構

5価ヒ素の場合
Ce(OH)4 + AsO43- → Ce(AsO4)(OH) + 3OH-
3価ヒ素の場合
Ce(OH)4 + AsO33- → Ce(AsO4) + 3OH- + 3H+


主な導入場所

工事現場湧水処理・トンネル湧水処理・食品工場用水井戸水浄化


樹脂の基本物性

製品名READ-As
吸着母体水酸化セリウム
外観黄色楕円形球状
平均粒径0.6~0.8mm
湿潤真比重1.45~1.65
有効pH範囲5~10
再生処理アルカリにて可能
その他水道資機材溶出試験に合格

フッ素用吸着剤 READ-F・READ-F(HG)

「READ-F」「READ-F(HG)」は高い吸着性能を持っており、長年の使用実績があります。フッ素の排水は火力発電所や半導体工場などで発生することが多く、カルシウムで凝集沈殿処理することが一般的です。しかし、凝集沈殿処理のみの場合には排水基準値まで下げることが難しいため、吸着法と組み合わせることが望ましいです。

吸着・再生機構

吸着:Ce-OH + F- → Ce-F + OH-
再生:Ce-F + NaOH → Ce-OH + Na+ + F-
アルカリによる洗浄を行うことによって、
吸着していたフッ素が脱離され、再度水酸基に置換されます。

主な導入場所

半導体工場の排水処理・自動車部品工場の排水処理


樹脂の基本物性

製品名READ-FREAD-F(HG)
吸着母体水酸化セリウム水酸化セリウム
外観黄色楕円形球状黄色楕円形球状
平均粒径0.6~0.8mm0.6~0.8mm
湿潤真比重1.4~1.61.9~2.1
有効pH範囲3~3.53~3.5
再生処理アルカリにて可能アルカリにて可能
特長廉価排水用吸着剤セリウムの担持量を上げているため、
READ-Fの倍近い性能を発揮する

ホウ素用吸着剤 READ-B・READ-B(MC)・READ-B(LC)

「READ-B」は高濃度の処理において高い効果を発揮します。「READ-B」以外にも、ホウ素用キレート吸着剤で、飲料用途にも使用可能な「READ-B(LC)」や中~低濃度においても性能が発揮できる「READ-B(MC)」があります。他の処理方法と吸着剤をうまく併用することで処理効率を高めることができ、コストの削減へと繋がります。

吸着・再生機構

吸着:Ce-OH + B(OH)4- → Ce-B(OH)4 + OH-
再生:Ce-B(OH)4 + NaOH → Ce-OH + B(OH)4-+Na+

低濃度のホウ酸は、pH7以下ではH3BO3の形態、pH7以上ではB(OH)4
形態で存在していますが、濃度が高くなるにつれてホウ酸が環状や鎖状の
多核化合物(いわゆるポリマー)になり、B5O6(OH)4やB4O5(OH)52-
などを形成すると言われています。

主な導入場所

電子部品工場・発電所の排水処理・ごみ処理場の排水処理・井戸水や海水の淡水化

樹脂の基本物性

製品名READ-BREAD-B(MC)READ-B(LC)
吸着母体水酸化セリウムマクロポーラス型・スチレン系マクロポーラス型・スチレン系
外観黄色楕円形球状白色不透明球状白色不透明球状
平均粒径0.6~0.8mm0.6~0.8mm0.6~0.8mm
湿潤真比重1.7~1.91.08~1.181.1
有効pH範囲7~95~105~10
再生処理酸・アルカリにて可能酸にて可能酸にて可能
その他水道資機材溶出試験に合格英国におけるWRAS認可
および米国NSFによる
飲料用途認可済み
特長濃度依存性が高く、 高濃度になるほど吸着量は 大きくなるキレートのため選択性が高く、 阻害成分の影響を受けにくい キレートのため選択性が高く、
阻害成分の影響を受けにくい

重金属用吸着剤 READ-HM

重金属は人の健康や農作物に影響を及ぼす恐れのある有害物質として排水基準が設けられています。「READ-HM」は、銅や鉛、カドミウムなどの重金属除去に使用されます。

主な導入場所

紡績工場・金属表面加工工場

樹脂の基本物性

製品名READ-HM
吸着母体マクロポーラス型・スチレン系
外観淡黄色不透明球状
平均粒径0.43~1.18mm
湿潤真比重1.1~1.2
有効pH範囲2~6(H形)、6~11(Na形)
再生処理酸、アルカリにて可能
その他一般的な重金属に対して吸着効果があり、同時に多元素を処理することも可能

リン酸用吸着剤 READ-P

リンは富栄養化の原因物質として知られており、環境基準が設けられています。選択性が高くメッキ排水中のリン除去などに使用されます。

主な導入場所

金属表面加工工場

樹脂の基本物性

製品名READ-P
吸着母体水酸化セリウム
外観黄色楕円形球状
平均粒径0.6~0.8mm
湿潤真比重1.7~1.9
有効pH範囲3~10
再生処理高濃度アルカリにて可能
その他有効pH域が広くpH調整がほぼ不要

水処理用吸着剤READシリーズが使用されている場所

フッ素吸着剤が使用されている場所は半導体関連の工場が最も多く、次いで機械工業、発電所と産業由来の排水処理が中心です。
ヒ素吸着剤が使用されている場所は工場排水、井戸水浄化など排水・浄水いずれも含め幅広い用途に用いられています。
ホウ素吸着剤が使用されている場所は産廃処分場が最多で、メッキ工場や半導体工場などの産業排水処理にも多く使われています。

フッ素吸着剤納入情報

フッ素吸着剤納入情報円グラフ

ヒ素吸着剤納入情報

ヒ素吸着剤納入情報円グラフ

ホウ素吸着剤納入情報

ホウ素吸着剤納入情報円グラフ

よくある質問

よくある質問をまとめました

吸着剤READシリーズではどんなものを吸着できますか?

吸着対象は無機陰イオンとなります。イオン状でないもの(有機物や錯体など)は吸着対象から外れます。当社グループでは水質基準項目になっているフッ素、ホウ素、ヒ素をメインターゲットとしております。

どんな場所での水処理に使えますか?

工場や事業所、トンネル掘削現場の排水処理にご利用いただいております。他にも、一部品種では水道資機材として認められており飲料用途の水の浄化にも活用可能のため、飲食店様でもご利用いただいております。ただし、SS(懸濁物質)が多い水は目詰まり・偏流の原因となりますので事前処理の必要がございます。

どれくらいの濃度に適用できますか?

処理濃度は原水水質によって異なりますが、フッ素やホウ素、ヒ素については法令で定められている排水基準や環境基準をクリアできる程度まで処理することができます。ただし、吸着容量には上限がありますので、高濃度のものは前段階で凝集沈殿処理するなどして適用濃度まで低減していただくことをお勧めいたします。具体的な適用濃度は処理条件により異なりますので個別にご相談ください。

吸着剤はどれくらいの期間使うことができますか?

吸着剤の耐用年数は使用状況にもよりますが、基本的に5~7年です。
吸着容量が飽和(=破過)した際には再生処理を施すことで吸着性能が回復し繰り返し使用することができます。破過までの期間は処理条件や設計によって変動しますので個別にお問い合わせください。

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