導入事例

火力発電所脱硫排水中のホウ素を凝集剤で除去|吸着剤についても紹介

火力発電所脱硫排水処理イメージ

目次

1.水処理用凝集剤〈READ-CX〉でのホウ素処理 導入場所

2.ホウ素の水処理について

3.海外の火力発電所で水処理用凝集剤〈READ-CX〉を使用したホウ素処理 事例

4.凝集剤〈READ-CX〉と従来法との比較について

4-1.脱硫排水模擬液に対する各薬剤の効果

4-2.凝集剤READ-CXと従来法(硫酸バンド)との比較

5.ホウ素凝集処理ランニングコストについて

6.吸着剤との複合処理で処理コストの低減

7.ホウ素排水を処理するなら凝集剤〈READ-CX〉・吸着剤〈READ-B〉

【水中の有害物質除去】吸着剤・凝集剤の資料を請求する

水処理用凝集剤〈READ-CX〉でのホウ素処理 導入場所

海外の火力発電所

ホウ素の水処理について

ホウ素は、過剰に存在すると植物の成長に悪影響を及ぼす物質であり、人体に対しては、低濃度だとしても継続摂取すると生殖機能の低下など健康障害を引き起こす可能性を指摘されている物質です。ホウ素が含まれた水処理技術には、減圧蒸発固化法、膜分離法、凝集沈殿法(硫酸バンド消石灰法)、凝集沈殿法(READ-CX法)、吸着法およびこれらの組み合わせ方式があります。
今回は海外の火力発電所で脱硫排水中に含まれるホウ素を、当社グループREAD-CXを使用して環境規制を満たす目標値以下への処理を行った事例を紹介します。

海外の火力発電所で水処理用凝集剤〈READ-CX〉を使用したホウ素処理 事例

海外の火力発電所で脱硫排水中に含まれるホウ素を、排水規制に関する基準を満たす処理を行う必要がありました。
そこで当社グループの凝集剤READ-CXによる凝集沈殿を実施。目標値である50mg/L以下を達成しました。

一般法に比べて使用量が少なく、汚泥発生量も少なく抑えられるためコスト改善にも寄与しました。

凝集剤〈READ-CX〉での処理の結果

  • 処理濃度:B=〜500→50mg/L以下
  • 処理水量:500m3/d
凝集剤READ-CXについて詳しくはこちら

凝集剤〈READ-CX〉と従来法との比較について

ホウ素は処理方法が限られており、その処理には相応のコストが掛かりますが、READ-CXは従来法に対し優位性を示すことが可能です。
READ-CXは従来の薬剤に比べて性能が高いため、薬剤添加量は少なくなります。
また、それに合わせて汚泥の発生量も減少し、その分産廃費用も削減できます。

脱硫排水模擬液に対する各薬剤の効果

下記グラフを例にした場合、処理目標200mg/Lの際に従来法では薬剤2.3wt%、汚泥115g/L発生しますが、READ-CXでは薬剤1.2wt%、汚泥38g/Lと添加量を1/2に、汚泥量を1/3に減らすことが出来ます。

脱硫排水模擬液に対する各薬剤の効果グラフ
脱硫排水模擬液に対する各薬剤の効果について

凝集剤READ-CXと従来法(硫酸バンド)との比較

ホウ素・フッ素処理にはアルミ系薬剤である硫酸バンドが良く用いられますが、READ-CXと比較したデータは以下の通りとなります。
ホウ素50mg/Lから10mg/Lまで処理する場合、従来法ですと0.7wt%程度の薬注が必要となり、またその際の汚泥発生量は20~25g/Lとなります。
これに対しREAD-CXは薬注量は0.3wt%程度で済み、汚泥の発生量も6g/L程度となるので添加量を約1/2に、汚泥量を約1/3に減らすことができます。

従来法(硫酸バンド)との比較グラフ
従来法との薬剤添加量比較
従来法(硫酸バンド)との比較グラフ
従来法との汚泥発生量比較

ホウ素凝集処理ランニングコストについて

READ-CXは従来法に比べ薬注量が減ることで汚泥の発生量が少なくなり、コストは安くなる傾向にあります。
吸着法は再生廃液を別途凝沈処理する必要はありますが、濃縮したものだけとなるためコストは大きく改善されます。

B=30mg/L、200m3/d (10m3/hr)、処理時のランニングコストは以下の 通りです(硫酸バンド消石灰法処理コストを1とした場合)。

複合処理フロー図
各処理方法でホウ素処理をした場合の運用コスト試算例

吸着剤との複合処理で処理コストの低減

ホウ素は分子量が低いこともあり、処理が非常に難しい元素のひとつです。そのため、処理技術導入には非常にコストが掛かります。

一般的な処理法である硫酸バンドと消石灰による凝沈処理と吸着剤を併用することで、処理効率が高まりコスト削減へと繋がる可能性もあります。吸着剤による処理は安定した処理が可能となり、その再生時に発生する廃液について、凝沈処理又は直接産廃処理を行うことによって処理コストの低減が可能です。コスト削減のためには、高濃度域と低濃度域の場合の処理方法をうまく組み合わせることがポイントです。

READ-CXによるホウ素処理ランニングコスト表
吸着剤READシリーズと凝集剤READ-CXを併用する場合の処理フロー

ホウ素排水を処理するなら凝集剤〈READ-CX〉・吸着剤〈READ-B〉

今回の火力発電所に導入された水処理用凝集剤READ-CXは、対象水に薬剤を加えてpH処理を行うことで
有害成分を汚泥として沈殿させる方法を用いています。
従来の凝集剤とは異なり高い性能があるため、少ない使用量で処理が可能で凝集沈殿法の欠点でもあった汚泥の発生量が大幅に削減できます。
適切な処理pH域は中性〜弱アルカリ性であるため、処理後のpH調整が容易、または不要となり大幅なコストダウンが期待できます。
ハンドリング性の良い液状ですので、既設置き換えも容易です。
ホウ素以外にも、フッ素やヒ素、リン、六価クロム、鉛等の元素も処理が可能です。
メッキ工場や薬品製造工場、製鉄所といった業界や施設において、運用コストの低減に寄与します。
また、水処理用吸着剤READ-Bは、特定の元素に対して高い吸着性を持っており、特にホウ素に対して高い選択性を持った吸着剤です。
メッキ工場、ガラス工場、石炭火力発電所、産業廃棄物処理場といった業界や施設においてREAD-Bは高い処理効率を発揮し、運用コストの低減に寄与しています。

よくある質問

よくある質問をまとめました

READ水処理技術についてカタログはありますか?

対象元素ごとのリーフレットや技術資料がございます。当社グループまでお問い合わせください。

吸着剤・凝集剤のサンプルはもらえますか?

ご利用目的および処理概要についてご相談いただいたお客様にはサンプルを提供しております。

事前に試験することは可能ですか?

サンプルの提供を行っておりますので必要でしたら当社グループまでお問い合わせください。また、当社グループで試験を承ることも可能ですのでお気軽にご相談ください。

工場見学はできますか?

ご希望の方は当社グループまでお問い合わせください。

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