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表面処理とは?表面処理の種類や選定方法について

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表面処理とは金属や樹脂などの表面に行う加工方法です。
特に濡れ性改善や接着性改善などの表面改質を目的としたものは、電子部品関連、ディスプレイ関連などの分野で利用されています。この記事では、表面処理方法や特長を解説します。

表面処理にはさまざまな方法があり、目的の効果や使用する材料の材質や形状によって処理方法を変えなければいけません。 では表面処理にはどのような種類があり、どのような特長があるのか説明していきます。

表面処理とは?

表面処理とは、金属や樹脂などの表面に行う加工方法です。主に強度や耐久性などを高める目的で行います。中でも表面の濡れ性改善や接着性改善を目的とした表面処理(表面改質)は材料の特性を変化させること無く、極表面のみの特性を変化させて接着力アップやコーティング性アップ等の機能を持たせます。

表面処理方法は「湿式処理」と「乾式処理」の2つに大別できます。

湿式処理

化学薬品処理に代表される湿式処理は、酸性の薬品や金属ナトリウムを配合した処理液などを使用することで、難接着性のプラスチックなどの接着性改善に使用されています。

乾式処理

乾式処理には、コロナ処理、紫外線処理、フレーム(火炎)処理、プラズマ処理などがあります。基材の分子結合エネルギーより高いエネルギーを照射することで、結合を切断し、-COOH、-OHといった親水性の官能基を新たに導入することで濡れ性改善や接着性改善用途で使用されています。

表面処理の種類と用途

表面の濡れ性改善や接着性改善を目的とした表面処理(表面改質)には、用途に合わせて様々な方法があります。具体的にどのような方法があるのか、それぞれの特長と用途について説明していきます。

化学薬品処理

化学薬品処理とは、対象物表面に付着している異物や酸化膜など、性能を阻害する要因の除去や表層材をなじみやすくするために、酸性の薬品や金属ナトリウムを配合した処理液等の化学薬剤を用いて表面を処理する方法です。

主に樹脂の接着性改善や、物理的処理が困難な小型・薄型化の部品などに化学薬品処理が行われています。

コロナ処理

コロナ処理は、電極に電圧をかけてコロナ放電させ、発生したプラズマを対象物に当てることで、疎水性の表層を親水性の性質に変えたり、有機物を洗浄除去する処理です。

プラスチックフィルム表面の親水性を高め、水溶性の材料を塗布しやすくするための前処理に使われており、比較的簡単に行えるため、処理面積が大きいものや、低コストでの処理に適しています。

紫外線処理

紫外線処理は、低圧水銀ランプより照射される185nm波長、254nm波長の紫外線を被処理物に照射し、有機汚染物を分解すると同時に、紫外線により生成したオゾンと活性酸素により分解物を除去します。

ガラス、プラスチック、金属等のさまざまな材料に適用することができ、ダメージレスな処理が可能です。

フレーム処理

フレーム処理は、燃焼ガスと空気の混合ガスを燃やすことで空気中の酸素をプラズマ化させ、酸素プラズマを対象物に当てることで、疎水性の表層を親水性の性質に変えたり、有機物を洗浄除去する処理です。

プラスチックフィルム表面の親水性を高め、水溶性の材料を塗布しやすくするための前処理に使われているのは、コロナ処理、プラズマ処理と同じですが、炎の中で熱の力によってプラズマを発生させるため、他の処理方法と比べて早く処理ができるので生産性に優れています。

プラズマ処理

プラズマ処理は、1対の電極に窒素や希ガスなどのガスを流し、高周波・高電圧を印加することによりプラズマを発生させ、活性化したガスを対象物に当てることで、疎水性の表層を親水性の性質に変えたり、有機物を洗浄除去する処理です。プラスチック、金属、ガラス、フィルム等のさまざまな材料に適用が可能です。

プラズマ処理には、真空下でプラズマを発生させる「真空プラズマ」と大気圧下でプラズマを発生させる「大気圧プラズマ」があります。

・真空プラズマとは

密閉されたチャンバー内に基材を置き、内部に満ちたプラズマが基材表面に触れることで化学反応を起こします。チャンバー内は真空であるため、少量のガスでも処理を行える、洗浄速度が速い、といったメリットがありますが、毎度真空状態にする作業が必要となる為、連続的に処理をすることが難しいです。
半導体の製膜形成・表面改質を中心に広く利用されています。

・大気圧プラズマとは

大気圧下で、放電空間の活性化したガスを対象物に当てることで、基材表面を改質します。大気圧状態で放電させるため、連続的に処理することが可能です。また、真空ポンプや大型チャンバー等の真空設備が不要であるので、設備費の削減や大型の基材にも対応することが可能です。ただし、排ガスにオゾンが発生するため排気設備が必要です。

電子部品向け部材の接着前処理やディスプレイ表面の洗浄、プラスチックフィルム表面の薬液塗布前処理などに使われており、対象物への直接放電がないため、熱や電気のダメージを嫌う処理に適しています。

各表面処理技術の比較

表面処理技術が異なると、改質能力や対象品種、コスト面も変化します。表面処理技術を導入検討する際は、以下の表を選定の参考にしてください。

※スループット:単位時間当たりの処理可能量

エア・ウォーターの「大気圧プラズマ」の特長

エア・ウォーターでは、大気圧プラズマ技術を確立し、ガラスや基板にプラズマを吹き付けて洗浄する「リモート型表面処理装置」、フィルムを高速・連続に処理する「ダイレクト型表面処理装置」、チューブの内面・外面を選択的に親水処理することが可能な「チューブ型表面処理装置」の3方式の装置を開発しました。

完全ドライによる製造ラインの簡素化、高速化

ドライ処理なため、ウェット処理が困難なサンプルにも適用が可能です。
薬剤を使用しないため環境に優しく、廃液処理コストも削減ができます。また乾燥工程が不要となるため、製造ラインの簡素化や工程の高速化に繋がります。

連続処理による高い生産性、低ランニングコスト

真空プラズマのような真空設備が不要ですので、設備費の削減や連続処理による高い生産性を実現できます。また、放電ユニット部分を既存の製造ラインに組み込むことも可能です。
処理ガスには希ガスの他、安価な窒素ガスを用いることができますので、ランニングコストを安く抑えることが出来ます。

大面積の被処理物や立体形状への適用可能

1000mmを超えるような大型基材への処理が可能です。
電極間で発生させたプラズマを基材に吹き付けて処理をするリモート型、プラズマ空間に直接基材を入れ込むダイレクト型、チューブ形状の処理に特化したチューブ型などの装置を取り揃えており、さまざまな基材への処理が可能です。

独自開発による高い処理性能、メンテナンス性を実現

電源や電極の独自開発により、他社製に比べてより高性能な処理が可能です。これにより高速処理や高生産性を実現できます。また、放電室構造の独自設計により、小型化、高メンテナンス性を実現しました。

適用分野例

エア・ウォーターの大気圧プラズマ装置はさまざまな場面でご使用頂いております。
事例について紹介します。

サンプルテスト

最適ガス種、ガス供給、排ガス処理を含めた
トータルシステムの提案をいたします。

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